深夜の国会議事堂。 女性議員・神崎怜子は、誰もいないはずの廊下を足早に歩いていた。彼女が提出した「スパイ防止法案」は、国を揺るがす機密を暴く内容だった。だが、法案が通れば消える人々がいる。だからこそ、彼女の動きを誰かが常に監視していた。 https://youtu.be/Xcf2F-ntEtw 議員控室に入ると、机の上に一通の封筒。差出人なし。中には――自分の演説草稿、そして血で書かれた一文があった。 「あなたは、もう喋りすぎた。」 怜子は震える手で封筒を落とした。携帯を取ろうとした瞬間、画面が光り、知らない番号から着信。 「怜子議員、あなたの法案は素晴らしい。ただし……生きて通せればの話だ。」 その声は、先日笑顔で握手した同僚の女性議員のものだった。怜子の背筋が凍る。議事堂の照明が一瞬だけ落ち、モニターに映るのは監視カメラの映像。そこには、今まさに怜子の部屋に向かって歩く黒いスーツの影。 彼女は急いで非常口へ向かった。だが、ドアノブには既に指紋認証が仕掛けられている。 「……まさか、政府そのものが敵?」 遠くで警報が鳴り響いた。 国を守る法案を出したはずの彼女が、いま“国”に狙われている。 翌朝、ニュースはこう伝えた。 ――神崎怜子議員、失踪。提出予定だった「スパイ防止法案」も、議事録から完全に消去された。 だが、議事堂のどこかで誰かが囁く。 「彼女はまだ喋っている、地下で――」
選挙戦、最終日。女性議員・白石綾香の街頭演説は熱気に包まれていた。だがその背後、ポスターの目が“笑った”と観衆がざわついた瞬間――空気が変わった。 https://youtu.be/3rrANEpqDQg 翌朝、選挙事務所のパソコンが一斉に誤作動を起こす。候補者一覧から、白石の名前だけが“消えていた”のだ。印刷機は勝手に動き、壁には“彼女を通すな”と血のような赤文字。スタッフは怯え、誰もが撤退を口にした。 だが白石は逃げなかった。 夜、独りで選挙事務所に残り、異変の源を探る。 印刷機の裏から見つけたのは――旧選挙区の地図。そこには、戦中に亡くなった“幻の候補者”の名が刻まれていた。 亡霊たちの怨嗟が、正義を装う政治を嗤っていたのだ。 白石は封印された選挙倉庫で霊の正体を暴き、祈りを込めて告げる。 「この選挙、私は“あなたたちの分”も戦う。」 翌日、奇跡のように票が動いた。 永田町に、新しい風が吹いた――“真実の風”が。