前略 還暦からの再入門 こんにちは。 今日は「ご近所付き合い」、特に自治会についてのお話をしていきたいと思います。 現役時代は仕事一筋で、正直なところ自治会の集まりなんて煩わしいと感じていた方も多いのではないでしょうか。回覧板は読まずに次へ回すだけ、総会には妻や夫に任せっきり、そんな日々を過ごしてきた方も少なくないはずです。 ところが定年を迎え、家で過ごす時間が増えてくると、不思議なもので「あれ、自分は近所の人のこと、ほとんど知らないな」と気づく瞬間が訪れます。長年住んでいるはずなのに、隣の家の表札すらよく見ていなかった、なんてことも珍しくありません。 これまでは会社という大きな共同体に属していました。名刺一枚で自己紹介ができ、肩書きが自分を語ってくれていた。でも定年後は、その名刺がなくなります。代わりに頼りになるのが、実は地域という小さな共同体なんですね。自治会は、まさにその入り口です。会社員時代の肩書きを脱ぎ捨てて、ただの「近所に住む一人の人間」として付き合っていく。最初は少し心もとなく感じるかもしれませんが、それはそれで新鮮な体験でもあります。 とはいえ、いきなり役員を引き受けたり、張り切りすぎたりする必要はありません。まずは顔を覚えてもらうことから始めれば十分です。朝のゴミ出しで会う人に挨拶をする、掲示板の前で立ち話をしてみる。それだけでも、地域での存在感はずいぶん変わってきます。人間関係というのは、結局のところ小さな積み重ねでしかできあがらないものですから。焦る必要はまったくありません。 自治会活動でよく耳にするのが、「班長」や「防犯パトロール」、「夏祭りの準備」といった役割です。面倒に思われるかもしれませんが、実際にやってみると、思いのほか達成感があるという声をよく聞きます。特に夏祭りや盆踊りの準備などは、世代を超えて子どもたちや若い夫婦とも自然に交流できる貴重な機会です。 孫と同じくらいの年齢の子どもたちに「おじちゃん、ありがとう」なんて声をかけられると、思わず頬が緩んでしまうものです。また、こうした活動を通じて、自分の得意なことを活かせる場面に出会うこともあります。現役時代の経験や特技が、意外なところで役に立つのも自治会活動の面白いところです。 もちろん、人間関係ですから合う合わないもあります。無理に全員と仲良くなろうとせず、心地よい距離感を探ってい...