オラは孫悟空!頭ん中は自由でいっぱい、手には如意棒、腹ん中には暴れる魂が燃えとる。今日も三蔵の坊主を守るために山道を歩いとったら、どうにも騒ぎたくなる風が吹いとる。
「おいおい、坊主よ。静かすぎて退屈やないか。ちっと暴れさせてもらうぞ!」
「悟空、勝手なことは…」
坊主の小言が終わらんうちに、山がぐらっと揺れたんじゃ!
でっかい山の向こうから、妖怪が現れたばい。体は虎みたいで、頭には角が二本、炎みたいな目をしとる。どう見ても悪そうなツラじゃな。
「おい坊主、あいつの肉、ワシにくれんかい!?」
妖怪はドスの効いた声で言うとるが、オラはその瞬間、血が騒いだんじゃ!
「誰が渡すかい!まずはオラを倒してから言えっちゃ!」
オラは如意棒をひょいと肩に担いで、妖怪に向かって突っ込んだんじゃ!
妖怪はドスンと地面を踏み鳴らしながら、でっかい爪で引っ掻いてきよる。けどな、そんなもんオラには当たらんばい!ひょいっとかわして、如意棒を一気に伸ばして、妖怪の頭にバコーン!
「どうだ、この石頭には勝てんやろ!」
けど、そいつはしぶとかった。今度は口から雷みたいな稲妻を吐き出してきたんじゃ!
「おお、そう来るか!面白か!」
オラも負けじと如意棒を回して雷を弾き返し、天まで伸ばしてその妖怪の足を絡め取ったんじゃ。
妖怪はひっくり返って山が崩れるほどの大騒ぎ。「助けてくれ!」って泣きわめきよる。けど、オラの興奮は止まらんかった。
「おらおら、まだまだやぞ!次はこれじゃ!」
オラは分身の術を使って、自分を何十人にも増やしてみた。妖怪の周りを取り囲んで、四方八方から如意棒の嵐!「悟空様の力、甘く見たらあかんばい!」
ついに妖怪は観念して地面に頭をこすりつけた。「許してくれ、もう坊主は狙わんけん!」
「そうかそうか。なら山の向こうで真面目に畑でも耕さんかい!」
妖怪を片付けた後、オラは得意気に三蔵の坊主を振り返ったばい。
「どや、オラの腕っぷし!おかげで妖怪が改心したっちゅうこっちゃ!」
けど坊主は眉間に皺を寄せてため息ばっかついとる。
「悟空…もう少し穏便に…」
「なんば言いよる!これがオラのやり方ばい!」
そう言いながら、次の妖怪が出てこんかと空を睨みつけるオラだった。
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