1年ぶりに近所の回転寿司屋に行ったらさ、値段が上がっとってビックリしたとよ。いつもなら入り口のボードに「平日ランチ特別価格!」っち書いてあるとに、今日は「新鮮ネタばお届け!」みたいな感じだけやったと。なんやろね?っち思いながら席ば座って、メニューば開いたら…皿の色ごとの値段がどれも50円くらい上がっとるやん!ほんに驚いたばい。
ランチタイムやっちゅうのに店ん中はガラガラでさ、見渡しても、おじいちゃんとおばあちゃんがひと組おるくらい。カウンターにはサラリーマンがひとりポツン。昔はランチ時は家族連れで賑わっとったとにねぇ、なんか寂しかばい。そんで、注文ボタン押す手もつい迷うたとよ。値上げした分、味も良うなっとるっちゃろうか?なんて思いながら頼んだサーモン。まぁ普通にうまかっちゃけど、正直、値段に見合うかっちゅうたら微妙やったばい。
その後、久しぶりにウニば頼んでみたとやけど、これもまた…うーん。なんか、特別感が薄れとる気がするんよね。値段が上がると期待も上がるけん、それが追いつかんと満足できんくなるとかな。
ふと、「あの店も大変なんやろうね」っち思ったと。物価が上がっとるけん仕入れも難しかろうし、スタッフさんの給料も上げんといかんっちゃろう。そんなん考えよったら、なんや余計に複雑な気持ちになったと。
結局、いつもより皿ば控えてお会計したとよ。少し寂しか気持ちで店ば出たけど、値上げって、財布の問題だけやないんやなぁっち改めて思ったばい。また行くかどうかは…正直、ちょっと悩むとこやね。
店ば出たら、冷たい風がほっぺばサッとかすめて、なんか胸の奥がスーッと軽うなった気がしたと。なんやろね、あの店ん中におるときの感じ。値段が上がっとることば気にして、いつの間にか味そのものば楽しむっちゅう気持ちが薄れとったごたっとさ。
でも、それって寿司屋だけの話じゃなかよねっち、ふと思ったとよ。最近、スーパーでも何でも値段が上がっとるやろ。そのたびに「またか…」っちため息つく自分がおると。前はそんな気にしとらんかったとに。もしかしたら、自分がちょっとケチくさくなっとるのかもしれん。いや、仕方なかね。物価が上がれば節約せんといかんけんさ。
「ちょっと歩きよっか」っち、いつもの帰り道ばちょい外れて歩いてみたと。街の雰囲気も変わっとるね。1年前にはなかったカフェができとったり、逆にいつも行列ば作っとったパン屋が閉まっとったり。時代が動いとるっち感じる瞬間やね。
歩きよるうちに思い出したとよ。あの回転寿司屋に初めて行ったときのことば。たしか、子どもたちが小さかった頃やった。タブレットで好きなネタば選ぶのが楽しかったらしくて、次々ボタンば押して皿がどんどん回ってきよったと。お会計でびっくりしたとば今では懐かしか思い出やね。
そう考えると、あの店には家族との思い出がぎゅっと詰まっとるんやね。そげん思ったら、また行こうっち思うときもあるかもしれん。そんときは、値段や味以上に、なんか違うもんば楽しめるようになっとったらよかねぇ。
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