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うちは貧乏やったけん、カラーテレビが買えんかったとよ。


うちは貧乏やったけん、カラーテレビが買えんかったとよ。そん代わり、3色のカラーフィルターをテレビの前に置いて見よった。色がついとるだけの、カラーテレビ風みたいやけど、映像はちょっとぼんやりしとって、なんか現実感が足りんとよ。でも、それでも家族は満足しとった。


でも、来客があるときは恥ずかしかったとよ。家の中で、他人にこんな貧乏くさい方法を見られるんが嫌やったけん、必死にフィルターを外して、テレビを普通のモノクロで見せようとしよった。お客さんには、できるだけ普通の家に見せようって、気を使っとったけど、心の中ではバレんかどうかを気にしとった。


ある日、父ちゃんが「これでいいっちゃけん、みんなこんなもんさ」と言いながら、フィルターを片手に笑いながら座りよった。お客さんにも気を使わずに、そのままテレビの前に座って普通に話し始めたとよ。その姿を見て、ちょっと安心したんやけど、私はその時もまだ、恥ずかしい気持ちが胸に残っとった。


そんあと、父ちゃんが「こげんでも楽しめるけん、幸せやろ?」って言うたとき、なんか変な感じやった。普段は無口な父ちゃんが、そうやってニコニコしながら言うんやけん、逆にちょっと照れくさかったと。でも、よく考えたら、無理して見栄を張らんでも、こんな感じでも十分やんて思えてきたんよ。


それからは、もう来客があってもフィルター外すことはせんかったとよ。テレビの前に座って、家族で笑いながら番組を見よった。色はちょっと変でも、家族の笑顔が一番大事やんて、気づかされる瞬間やったけんね。


でも、たまに思い出すんよ、フィルターを外して焦ってた自分が。あんときは、もっと素直になっとけばよかったなって、ちょっと後悔することもあるけど、それもまた、今の自分を作る大事な思い出やなと思うんよね。


そん時から、だんだん家族みんなで楽しむ時間が増えたんよ。テレビの画面がぼんやりしてても、みんなで笑いながら見るのが一番やけんね。それに、父ちゃんが言う通り、無理して豪華なもんを求めるより、今の幸せを大事にせんといかんばいって、やっと気づいたと。


母ちゃんも「この家が一番よ」って言うて、笑顔でご飯作ってくれたとき、なんか胸が温かくなったばい。貧乏やけど、こげん幸せな気持ちがいっぱいあるんやけん、もう十分やんて思えるようになったと。


たまに、あんとき「他の家みたいにテレビがキレイやったらな」って思い出すこともあるけど、そんなことより、家族が一緒に笑えることが一番大事やろうって、今では完全に気持ちが変わったとよ。あんときは必死にカラーフィルターでごまかしとったけど、今じゃその頃の自分も、なんだか愛おしく感じるんよね。

自宅で映画館のような体験を楽しむために最適な選択です。



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