飲み会から帰ってきて、ひとりになった途端に、こんなことを考えた経験はありませんか?
「あのとき、もっと面白いことを言えばよかったな」
「変なことを言って、相手に嫌われていないかな」
「みんな楽しそうに話していたのに、自分だけ全然話せなかったな……」
こうやって、家に帰ってから何時間も反省会をしてしまう人って、意外と多いんですよね。
でも、ここで知っておいてほしいことがあります。飲み会でうまく話せる人が、必ずしも人間関係を築くのが上手なわけではないということです。
実は、人間の会話には、ちょっと面白い特徴があります。
人は会話の内容を細かく覚えているようで、意外と覚えていないんです。誰がどんな冗談を言ったのか、どんな話題で盛り上がったのか。翌日になると、ほとんど忘れてしまうこともあります。
それでも、「あの人と話すと楽しかったな」と感じることはありますよね。
では、何が違うのでしょうか。
それは、話の面白さだけではなく、自分の話を気持ちよく聞いてもらえたかどうかなんです。
例えば、あなたが仕事の苦労話をしたとします。
相手がすぐに自分の話に切り替えたり、正論でアドバイスしたりすると、少し物足りなく感じませんか?
反対に、「それは大変だったね」「そのあと、どうなったの?」と興味を持って聞いてくれる人には、つい話したくなりますよね。
つまり、会話が上手な人になるために、必ずしも面白い話を用意する必要はないんです。
相手の話に興味を持ち、自然な相づちを打ち、気になったことをひとつ質問する。それだけでも、会話の雰囲気はずいぶん変わります。
そして、もうひとつ大切なことがあります。
飲み会のあとに反省してしまう人は、自分の発言ばかりを振り返りがちです。
「あの発言は余計だった」
「もっと盛り上げるべきだった」
でも、ちょっと考えてみてください。
飲み会は、あなたひとりが全員を楽しませるための場所ではありません。参加者全員で、その場の雰囲気をつくっているんです。
話題が途切れたとしても、あなたひとりの責任ではありません。誰かが静かにしていたからといって、その人がつまらない人間だと決まるわけでもありません。
ここでおすすめしたいのが、帰宅後の反省会を「採点」から「観察」に変えることです。
「今日は何点だったか」と考えるのではなく、「あの人の話は面白かったな」「次はもう少し質問してみよう」と、気づいたことをひとつだけ振り返るんです。
これなら、自分を責めるのではなく、次の会話に生かせますよね。
心理学では、自分の失敗や欠点にばかり注目してしまう傾向を「ネガティビティ・バイアス」と関連づけて説明することがあります。もちろん、すべての反省がこれに当てはまるわけではありませんが、人は楽しかったことより、気になった失敗を強く意識してしまう場合があるんです。
だからこそ、反省するときには、うまくいかなかったことだけでなく、普通に話せたことや、誰かの話をきちんと聞けたことも思い出してみてください。
最後に、覚えておいてほしいことがあります。
人に好かれるために必要なのは、いつも面白い人でいることではありません。
一緒にいて気を使いすぎなくていい人、話をちゃんと聞いてくれる人、無理に自分を大きく見せない人。そういう人と、また会いたいと思うことも多いんです。
次の飲み会では、無理に場を盛り上げようとしなくても大丈夫。
ひとつ質問する。相手の話を楽しむ。自分も無理のない範囲で話す。
それだけで十分です。
帰宅後に「ああ、またうまく話せなかった」と思ったら、こう言ってみてください。
「今日は会話の練習をしたんだ。次はひとつだけ工夫してみよう」
飲み会は、人間としての価値を判定される試験ではありません。
会話が苦手な自分を責めるより、少しずつ人との時間に慣れていく。そのほうが、きっと人間関係は楽になりますよ。
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