こんばんは。
こんな時間に、こんな話って……ふふ、罪かしら。
でもね、私、お米が大好きなの。
まるで恋人のように、朝も夜も、そっと寄り添ってくれる存在なのよ。
炊飯器のふたを開けたとき、ふわっと立ちのぼるあの香り……
あれを嗅いだ瞬間、女の体がふっと緩むの。
炊きたてのごはんって、まるで誰かに抱きしめられたようなぬくもりがあるでしょう?
私はあの湯気に、毎日、癒されてるのよ。
たとえばね――
誰もいない午後、ひとり台所に立って、小さなおむすびを握るの。
炊きたての粒を、そっと手のひらで包み込むと……
「ふふ、あたしもまだ、あったかいんだなぁ」って、思うの。
……変な話かしら?
お米って、粘り気があるでしょ。
舌にのせたとき、もちもちと口の中に広がって……
んん……それがね、なんとも言えない、色っぽさがあるのよ。
お上品に言えば“滋味”っていうのかもしれないけど……私はあのねっとりした感じが、たまらなく好きなの。
昔ね、好きだった人が、「おまえの握るおにぎりが一番うまい」って言ってくれたことがあるの。
それからなの……私は、お米をもっと大切にするようになった。
恋って不思議ね。お米の味まで、変えてしまうのだから。
今では、ごはんを研ぐ時間が、私の一番落ち着くひととき。
冷たい水の中で白く輝くお米たちが、まるで私に話しかけてくるようで……
「今日も綺麗にしてくれて、ありがとう」って。
ふふ、うぬぼれすぎかしら?
お米ってね、ただの主食じゃないの。
日々の暮らしに寄り添い、女の心をととのえてくれる――
私にとっては、そうね……
まるで、静かな夜にそっと抱きしめてくれる、優しいひとのような存在なの。
……あなたも、今夜はごはんが食べたくなったんじゃない?
よかったら、私が握ってあげましょうか――
あたたかくて、ちょっぴり色っぽい、おむすびを。
コメント
コメントを投稿