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おじさんの「レトロラジオと未来の彼女」


僕は中村修一、53歳。東京の片隅で小さな修理店を営んでいる。昔は電子機器の修理をしていたが、今やそれはAIがやる仕事になってしまった。僕の仕事は、もっぱら昔のアナログ機械や古い家電の修理だ。最近の若い人には「レトロ」と呼ばれるそれらの機械たちを、僕は一つ一つ手をかけて直していく。それが僕の生きがいだった。


そんなある日、店のドアが開いて、若い女性が入ってきた。彼女の名前は田中麗子、30代前半で、何か古いラジオを手に持っていた。彼女はそのラジオを大切そうに抱えながら、僕に修理をお願いした。


「このラジオ、祖父の形見なんです。どうしても直したくて…」


彼女のその言葉に、僕は心を打たれた。最近は使い捨ての時代だ。それでも、こうして思い出を大切にする人がいることに、僕は感謝の気持ちを抱いた。


「分かりました。任せてください」


僕はラジオを預かり、丁寧に修理を始めた。内部はかなり劣化していて、時間がかかりそうだった。それでも、彼女のために全力を尽くすことに決めた。


修理を進めるうちに、麗子さんは頻繁に店に顔を出すようになった。彼女との会話は自然と増えていき、僕たちは少しずつお互いのことを知るようになった。彼女は広告会社で働いていて、忙しい日々を送っていること。休日には古い映画を見るのが好きで、祖父の影響でクラシック音楽をよく聴くこと。


「中村さんも、一緒に映画を見たり音楽を聴いたりしませんか?」


彼女の誘いに、僕は驚いた。こんな歳の僕に、若い彼女が興味を持ってくれるとは思ってもみなかった。しかし、心のどこかで彼女に惹かれている自分がいることも否定できなかった。


ある日、修理が完了したラジオを彼女に渡すと、彼女は涙を浮かべながら喜んでくれた。その瞬間、僕は彼女の笑顔が自分にとってどれだけ大切なものかに気づいた。


「中村さん、本当にありがとうございました。このラジオ、私の宝物です」


彼女のその言葉に、僕の心は温かくなった。


その後、僕たちはよく一緒に映画を見たり、音楽を聴いたりするようになった。彼女との時間は、僕にとって新たな生きがいとなった。50代の僕にとって、恋愛なんてもう縁がないと思っていたけれど、彼女との出会いが僕の人生に新たな光をもたらしてくれた。


そして、ある日彼女が言った。


「中村さん、これからも一緒にいられますか?」


その瞬間、僕は彼女の手を取り、力強く頷いた。彼女との未来が、僕には輝いて見えたのだ。


50代からのおじさん







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