深い森の奥、霧に覆われた廃墟で、私は奇妙なキノコを発見した。傘の部分が人間の顔のように歪み、触れると柔らかい肉のような感触。好奇心に負け、指で撫でると、指先に鋭い痛みが走る。血が滴り、キノコの根元に吸い込まれる。
翌日、鏡に映る自分の首に、白い斑点が浮かぶ。痒みが広がり、掻くと皮膚が剥がれ、細い菌糸が這い出る。夜になると、耳元で囁きが聞こえる。「お前は私の一部だ…」幻覚か? だが、斑点は体を蝕み、腕が膨張し、指先がキノコ状に変形する。
医師は絶句。「これは未知の真菌感染。体を乗っ取る寄生体だ。」 逃げようと森に戻るが、そこはキノコ人間の群れ。木に絡みつく人影が、無言で迫る。私の体はすでに菌に支配され、視界が白く染まる。最後の意識で、風が嘲笑う。「永遠に森の一部となれ。」
今、あなたの肌に異変はないか? 鏡を覗け。
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